色んな角度で蹴ってみる  ~白黒と青赤のある日常~





ユベントスとFC東京を中心とした雑感やら (2012年9月からTwitterをメインに)

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06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.6

89年からその存在を知り、それ以来世界最高峰のフットボールとして観続けているクラブ欧州No.1を決める大会、
『 UEFA チャンピオンズ・リーグ (旧チャンピオンズ・カップ) 』

01年ミラノ(ジュゼッペ・メアッツァ)、02年グラスゴー(ハンプデン・パーク)、
03年マンチェスター(オールド・トラフォード)、04年ゲルゼンキルヘン(アレナ・アウフシャルケ)、
05年イスタンブール(アタチュルク・オリンピヤット)と経てきて、決勝の現地生観戦も今年で6年目。

06年のファイナルの舞台は、フランスはパリ郊外のサンドニ地区、“スタッド・ド・フランス”。

住み慣れ(といってもわずか3ヶ月弱)親しみのある街パリを含め、アヌシーやリヨン、モン・サン=ミシェルにレンヌと、
今回もまた決戦の地に合わせた自分へのご褒美旅行を大いに楽しんできた。


ここに最後のフランス旅行記録として残してみる。
その前に、今回のチャンピオンズ・リーグ決勝旅行のこれまでの記録を。
  06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.1  【 第1弾 Annecy 】
  06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.2  【 第2弾 Lyon 】
  06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.3  【 第3弾 Mont Saint-Michel et Rennes 】
  06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.4  【 第4弾 Paris 】
  06欧州CLIMAX ~CL決勝フランスの旅~ vol.5  【 第5弾 FINALE 2006 PARIS part1 】



第6弾 FINALE 2006 PARIS part2 】

メインスタンド最上からピッチを俯瞰するように観戦していた俺の視界に、もの凄い勢いで飛び込んでくる男がいた。
彼は試合終了のホイッスルがなるや、監督のもとへ一目散に走り、飛びつき、乱暴なほど強く、激しく抱きしめ、
選手としても監督としてもビッグイアーを手したライカールトもまた、彼をしっかり受け止め、長い腕を彼の背中に回した。
男は、この日MVP級の活躍を披露したバルサの守護神、ビクトール・バルデスだった ―。

一方でこの日途中からアーセナルのゴール前に立ったアルムニアはその場でガックリと肩を落とし、
退場を食らった正ゴールキーパーのレーマンに限っては、その場で探し出す事ができなかった ―。

勝者にとってはかくも美しく、敗者に至ってはあまりにも残酷な試合終了直後の光景・・・。
今季のCL決勝戦もまた、その試合を象徴すべく、対照的なプレーヤーを生み出していた ―。





笛の音をかき消されているんじゃないかというほどの大歓声に包まれ、欧州今季最後の試合が始まった。
変に慎重になるわけでもなく、奇襲をかけるわけでもなく、両チームとも無理も無駄もない、
非常にスムーズなカタチで試合に入っていく。
ピッチ上の22人の中でビッグイアー獲得経験のある選手は凸(デコ)ただ一人。
初めてのCL決勝ともなると多大な緊張があっても不思議ではないはずなのに、やたらと落ち着いて見える両チーム選手。
裏を返せば、雰囲気を含めた調整を意識し、多くを想定した練習をしっかりやってきたがゆえの平常心という事だろう。
そして両選手のパス・スピードや緩急のあるドリブルに正確なトラップと、開始僅か数分で変な汗が出始めた俺。
今までのCL決勝とは何かが違う、そんな感覚に支配されている事を瞬時に悟った。


最初のビッグ・チャンスはアーセナル。エブエからのクロスに相手の背後から素早く反応したアンリが抜け出す。
しかしアンリの放ったシュートはバルサGKバルデスのファイン・セーブによって阻まれる。
両サポーターから種類の違う大声が発せられ、それがスタンドをほぼ覆っている屋根にこだまする。
続くCKからアンリがシュートし、バルデスの攻守へと繋がっていく。
バルサ守備の脆さなのか、アンリの凄さなのか・・・。アンリの詰めの甘さなのか、バルデスの俊敏さなのか・・・。
おそらく全てだろう。
全てが試合の魅力としてダイレクトに反映され、同じ空間にいる者へと響き渡っていく・・・。
それが生観戦の醍醐味であり特権で、今ここにいる価値と幸せを実感する。


序盤はアーセナルのペースだった。
キャンベルトゥーレを軸に、守備と中盤のラインがビシっと整備され、バルサにスペースを与えない。
そしてボールを所持して自陣へ入ってくるバルサの選手へ素早く厳しいアプローチを仕掛け、
奪ってから縦に速い展開を披露していく。もちろんつまったら横へ繋げる展開力も持ち合わせている。
上から観ていてこれほどまでキレイに統率されている事に愕然とした。
無失点を継続しているとはいえ、どこか個々では危なっかしい印象を持っていた俺の今大会のアーセナル評だが、
全体像を見ていると、その守備組織に穴が見当たらない。
アンリという絶対的な存在がいて、彼をよく知りサポートするピレス、馬力のあるリュングベリに機動性に優れたフレブ
テクニックと判断力を身に付けたフランセスク・ファブレガスという、攻撃陣が持ち味を発揮しうる戦い方も出来ている。
当然運もあるけれど、アーセナルが決勝へ進んだ理由を垣間見た気がした。
 (準々決勝で負けたユーベに必然性が存在するな、とも)

逆にバルセロナは細かいパスを繋ぎつつ、マルケスが痺れるほど正確なフィードをジュリエトーに供給するも、
アーセナルの守備陣を崩すには至らない。ロナウジーニョをトップの中央に置く事で、ある意味前線の起点にはなるが、
アーセナルの囲みが速く、いいカタチで前を向く事ができない。ゴールに背を向けた彼は怖くない。
縦に行かないというよりは、縦に行けず、ワイド攻撃が有効ではあるものの、ワイド攻撃しかないといった感じで、
アーセナルの網に引っ掛かっていくのも頷けるし、バルサがペースを握れない要因の一つになっていた。
ただロナウジーニョがこのポジションにいる事で、再認識した事がある。
チェルシー戦でテリーを吹き飛ばしながらゴール、ミラン戦でガットゥーゾをピッチにひれ伏させてアシストを決めた事でも、
彼のフィジカルの強さは証明されたが、これほどまでにボディコンタクトが強いとは!
手や上半身の使い方が絶妙に巧く、細身なのにボディバランスもまた素晴らしい!
厳しい試合でも最後までテクニックを披露するに耐えうる筋力をしっかりと持ち合わせているんだな~と。
タイプこそ違え、同じユニフォームのシンボル的存在、鋼の鎧をまとった細身の天才クライフを彷彿とさせる・・・。
プレッシャーを受けなければ、ロナウジーニョのようなプレーができる選手は多くいると思うけれど、
プレッシャーを受けつつも、自己満足ではなく勝利に繋がるテクニックを試合終盤まで披露できるのは、
極限られた選手のみ。彼のフィジカルが、高度なテクニックをより押し上げてるという事を強く知らしめされた。

アーセナル・ペースで進む試合に、いつものサンバが鳴りを潜めていたそのロナウジーニョだけれども、
それまで完璧だったアーセナルの守備に、一瞬のエアポケットを見付け出し(生み出し?)前線にスルーパス!
走りこんだエトーレーマンを交わし倒されるも、こぼれ球に詰めていたジュリがゲットぉ~~!!
ペースを握らせてもらえなかったバルサが、一瞬の出来事でなんと先制!!
しかし審判はこのゴールを認めず、直前のレーマンのファウルを取る!?!?
「おいおいマジかよ!? アドバンテージだろ~が! ファウルを取ったって事はひょっとして・・・」

レーマン、一発退場 ―。


俺は一定の基準に忠実過ぎる審判が嫌いだ。
例えば全く同じファールでも、時間帯や得点差によって判定が異なってもいいと捉えている。
曖昧なのは困るけれども、怪我に至らないレベルの明らかなファールでも、場合によっては取らなくていいと思っている。
また言葉やジェスチャーでコミュニケーションを取らず、カードで威厳を誇示する審判にも嫌悪感を覚える。
栄誉あるファイナルのピッチに立ったこの日の審判は、そのプレーに実直で偽りがなく、正しい判定を下したかもしれない。
しかし決勝という舞台の序盤、それまでの流れや雰囲気、即後のプレーがバルサへ有益に繋がった事を考えると、
アドバンテージというこれまた正当な判定を選択するべきだったはず。
決して最適とはいえない、むしろ最悪な決断を下してしまった・・・。
バルサのゴールを認め、悪質なファールをした訳ではないレーマンへは悪くとも警告程度に留めて置くべきだった。
結果論などではなく、あの場でそう思った。
周囲にイングランド人、スペイン人、そしてフランス人がいる中で、不満の叫びを発している自分がいた。


先日自国W杯の正GKに任命されたレーマンは何を思い決勝のピッチを後にしたのだろうか・・・。
代替要員としてピレスが退き、アルムニアがアーセナルのゴール前に立った。


優勢だったアーセナルは崩れていくのだろうか? 半ば攻撃を棄て、守備に専念する戦略に変わるのだろうか?
手を焼いていたバルサは、攻撃がスムーズになるのだろうか? それとも崩すのにより困難な状況になるのか?

いくつもの考えが頭の中を巡っていたけれど、まずピッチ上ではそのプレーを機に少し荒れた。
ナーバスになるのも無理はないよな~。両チームにとってそれだけ影響を及ぼす判定だったのだから。
しかし徐々に落ち着いていくと共に、アーセナルの気持ちが前に向かっていっている印象を受けた。
さっきより攻撃的になったというワケではない。守備のゾーンはやや低くなったし、チェックにも少し棄てが出始めた。
しかしレーマン退場がきっかけで、個々に強い気持ちが生まれ、それがチームとしてしっかりまとまって、
勝利へ向かう力へと変化している雰囲気を感じた。気持ちが崩れず、凄く試合に集中しているな、と。


おかしいという程ではないけれど、バルサは攻勢に出るきっかけがつかめない。
GKが突発的に代わった事で、そのアルムニアが試合の流れや雰囲気に慣れる前に、
遠目からでも積極的にシュートを狙うのかと思いきやそれもなく、パスワークにもリズムが出てこない。
アンリへ簡単にパスを通させるほど、パスの出所に対してチェックが甘く、アンリにトラップでかわされて
独走を許すのが怖いのか、マルケスプジョールアンリにボールが入ってた際に、体を寄せようとせず、
少し距離を置いたカタチでディフェンスをしている。
アンリにパスを通させない守備をチームですべきだろうけれど、簡単にパスが渡ってしまい、
待ちの守備をする事で、結果的にアーセナルの他の選手に上がる時間を提供してしまっている。
「こりゃ~アーセナル、あるかもしれねぇ~よ! ファール誘ってセットプレー得たら、更にチャンスが広がるかもな。」
俺より1回少ない、5度目のCL決勝進出者うるっち~に、そんな話した数分後の事だった ―。


得点したキャンベルのもとにチームメイトの輪が出来る一方で、アシストしたアンリは、
「どうだ、観たか!」という、例の内に気持ちを秘めたような雰囲気と、
お馴染みの軽やかなステップによる独特のパフォーマンスで、ただ一人陶酔する(笑)
なんと人数の少ないアーセナルがFKから先制!!
黄色と白に彩られたG裏からは割れんばかりの大歓声!!!
レーマン退場からやや大人しく感じられたアーセナル・サポーターは、これで爆発し、感情を大いに解き放つ。


このままバルサも黙っちゃいないだろう。これで面白くなるんじゃないか。
前半から退場者が出て、CL決勝が壊されてしまうという懸念から、ややテンションが落ち気味だったけど、
これからより一層の期待が!という感情が芽生え、ワクワク感が測定不能なほど上昇した。

その期待に応えてくれたのか、バルサは前半終了間際、エトーの素晴らしい反転からのシュートで応酬!
しかしレーマンに代わって入ったアルムニアのスーパーセーブによって弾かれ、ボールはポストへ直撃!!
上昇した感情は、この試合の凄さを察知したのか、ゾクゾク感のある震えに変わっていた・・・。
直後ハーフタイムに入り、呼吸を整える時間を得ていなければ、俺はどうなっていたか判らない。
過去を振り返ってみてもこの試合の前半は、ある意味決勝戦では稀な魅せるもので、とにかくハイレベルだった。
           







スタジアム内の全体が入る写真を撮りに、バルサG裏側へ行くと、若い何人ものサポーターが苛立ちを露わにしていた。
イスを叩いたり、後ろの鉄柵を蹴ったり。若さゆえかエネルギッシュにネガティブな感情を押し出していた。
ゴールが認められずファール扱いにされてしまった事、相手に退場者が出たにもかかわらず失点してしまった事・・・。
数的有利は必ずしも精神的優位にたった訳ではない。今のバルサにとって、それは逆にプレッシャーになっているかのようだった。
昨今のサッカー界において、最もスペクタクルで強いと言われているバルセロナが持つ贅沢な誇りと意地が、
この時限りはサポーターである彼らにも重くのしかかっているかのようだった。
彼らは頭の片隅では理解しているはずだ。
クライフ監督率いるバルサが、ウェンブリーで初の欧州頂点に立って以来、栄光から遠ざかっている事を・・・。
いくら騒がれようとも、第2のドリームチームと謳われる今のバルサが、まだ欧州で何も成し遂げていないという事を・・・。



先にピッチへ戻ってきたのはアーセナルだった。彼らに戦術的な話はほとんど必要なかったのだろう。
今の状況でやる事、やれる事は明確過ぎるほど、選手個々が理解しているだろうから。
アンリの強い眼差しはホレ惚れするほど美しく、絵になっていた。
後からピッチへ出てきたバルサは動いてきた。ハーフタイム中もピッチでアップを続けてたラーションはまだ温存し、
グアルディオラシャビの後継者と言われ、アルテタを他クラブへ追いやった中盤のイニエスタを投入。
前半ロナウジーニョをトップ中央に置くという、不可解とも取れる采配を振るっていたライカールト監督はしかし、
ここにきて従来の?戦い方に切り替えようという感じだった。

イニエスタを入れたことで、パスの出所が増えた。急所をえぐるようなパスが多くなったワケではないが、
前半より縦にも横にもボールが動き、攻撃の構築や相手を釣り出す布石のパスにリズムが生まれ始めた。
ボールが来る前に状況を把握し、戦略的なパスで試合をコントロールするバルサの心臓
ボールが来た時点で瞬時に閃き、即興的なパスで味付けするロナウジーニョ
縦だけではなく横やダイアゴナル・ランとシャドープレーに拍車が掛かるジュリに、勝負を挑むエトー
アーセナルの守備は決して緩くなっているワケではないが、バルサが攻勢に出るにつれて、
能動的な守備から受動的な守備へと微妙に変化しつつあった・・・。


ライカールト監督は更に得点力と経験に賭けるべく、ラーションを投入し勝負に出る。
パスの出し手に対して、受け手が増えると共に、バルサの攻撃に厚みが帯びていく・・・。


アーセナルは跳ね返すのが精一杯の状態に陥り、何とか持ちこたえカウンターに出るも
アンリリュングベリフレブの独力に頼った攻撃になってしまう。
更には長い距離を走らざるを得ず、次第に体力が消耗していくのが判る。
ただ、アーセナルはスコア上は勝っていた。劣勢に立たされても依然として守備は集中しており、
ギリギリのところで踏ん張る姿には胸を打つものがあった。
アルムニアはゴールキックの際に味方に息をつかせるため、、そしてバルサには苛立ちを募らせるため、
ゆっくりとボールを取りに行き、セットする。エトーがプレー再開を促すべく自分でボールを取りに行く場面も。
アーセナルはこのまま守ってカウンターでよかった。
それで勝機を見出せる守備力と、アンリという稀代のストライカーを擁していたのだから・・・。

しかし ―。


リュングベリの独走からフィニッシュに持ち込むも、ブラウグラーナGKのファインセーブに遭い、
アンリの抜け出しから1対1という局面になるも、青とエンジの守護神のスーパーセーブで阻まれる。
アーセナルにとって最良の状況を迎えたが、相手GKの最高のプレーによって追加点を挙げる事が出来なかった。
アーセナルには失望を、バルサには勇気を与えるようなプレーを披露した男、ビクトール・バルデス ―。
あの会場に居た者として、このプレーがこの試合の分岐点で最大のハイライトだった、そう思っている。


一度はバックスタンドへ走って行き、その後メインスタンドまで走って喜びを爆発させたエトー
あまり動きの良くなかったオレゲールに代わってベレッチを投入したバルサに対し、
ファブレガスというビルドアップの要を外してフラミニを送り込んだアーセナル。
両チームの選手交代のすぐ後(確か記憶では・・・)に生まれたエトーの同点ゴール!!!

静まり返るアーセナルG裏に、大爆発のバルセロナG裏!!!
激しく降りしきる雨で視界が薄くかすみつつあるところへ、バルサ・サポーターが炊いた発炎筒の煙が風で流れてくる。
霧がかったような何とも幻想的な光景の奥では、バルサの猛攻が更に勢いを増して繰り広げられていた・・・。

そして ―。


重なるように抱き合うバルセロナの選手に、叫び、飛び跳ね、マフラーを回し、ありったけの動作で感情表現し、
とにかくスタッド・ド・フランスをうねり狂うように響く大歓声で沸きまくるバルサ・サポーター。
ベレッチのゴールでバルセロナ逆転!!!
鉄壁を誇るアーセナルの守備を、持てる力の全てをぶつけて二度もこじ開けたバルサ!!
その2点とも頭脳なポストプレーとスペース作り、そして巧みなパスでアシストしたのは、
この試合を最後にバルセロナのユニフォームを脱ぐラーションだった。
ベテランのプレーがここ一番で輝き、チームを逆転へと導いた。


アーセナルは今まで張り巡らせていた集中力と、張り詰めていた緊張感が一気に解けていってしまった。
精神的な切れは、体力的な疲れを憎たらしいほど存分に提供してくれる。
彼らに逆襲を求めるのはあまりにも酷だった。
知将ベンゲルも、成す術なしといった感じだった。(ちと不可解な采配あり・・・)
あえてタラレバ論を言わせてもらうなら、もしアンリが決定機を決めていればそこで試合はクローズしていた。
もしレーマンの一発退場がなく、アクシデントによった交代枠を使う必要に迫られていなければ、
この試合を最後にスパイクを脱ぐベルカンプが、相手のベテラン同様に輝きの場を与えられたかもしれない・・・。


気力の抜けたアーセナル選手を前に、余裕のパス回しを魅せるバルセロナ選手。
アーセナル側の振り絞ったような声援も虚しく、バルセロナ側の「オーレ! オーレ!」の歓声と共に、
欧州今季最後の笛が鳴った ―。
バルサ、優勝!!
           








青とエンジな無数の輪が出来上がる一方で、点在して動かない黄色。
その黄色の一つ一つの点に、カタルーニャ州旗デザインの腕章をした男が歩み寄り握手していた。


アーセナル選手がメダルを受け取っている最中、彼らのサポーターから惜しみない拍手が送られる。
自分たちの選手を誇りに思っている事だろう。
そして残念な事に、審判団の表彰時にはこのスタッド・ド・フランスが初めて一つにまとまったかのような
大ブーイングが巻き起こる。彼の判定は正しかった。しかし最良な判定ではなかった。
           







その瞬間を今か今かと待ちきれない様子のバルセロナ・サポーターを焦らすかのように、
選手がゆっくりと首にメダルをかけられ壇上へあがっていく。
ロナウジーニョがメダルを受け、最後はキャプテンでカタルーニャの象徴的存在、プジョール
高々とビッグイアーを掲げた瞬間にCLのアンセム、“UEFA CHAMPIONS LEAGUE - Hymne”が流れ、
紙吹雪がキレイに舞っていく。
エンディング・セレモニーはいつ見ても感動的だ。
サポーターと喜びを享受するために、場内をビクトリーラン!!
そしてお馴染みのバルサ賛歌、“Himno de FC Barcelona (Canta del Barca)”が流れ、
選手もサポーターも一緒になって歌い、手拍子をする。

あれだけメディアに取り上げられ、しかしそのプレッシャーを乗り越えて頂点を極めたバルサ。
優勝候補として優勝するのは難しいと思うけれど、それを成し遂げたバルサ。
その中心となったのは、やはりロナウジーニョだろう。 メディア衆を導く自由なロニー ってな感じ(笑)
しかしこの試合で活躍したのは彼を心地よくプレーさせている脇の選手たちだった。
は相変わらず指揮者でいて、イニエスタラーションベレッチも監督の期待に応えた。
エトーはゴールをあげ、プジョールはチームをまとめた。
そしてこの試合、俺にとってのMVPであるブラウグラーナのGKは、ビッグイアーに何度も口づけし、
メディアに応えてポーズを取り、一番最後に控え室へ戻っていった・・・。
         




         








「来季こそは必ず! 再度あのビッグイアーを空高く掲げたいんだ・・・」
この日の主がいなくなったピッチを見つめながら、そう呟いていたのを俺は聞き逃さなかった。
わざわざズラをしてまで隣で観戦した俺のカピターノは、今後のユーベと自分を心配していない様子だった。
「チケット持たずに入場できたのは、俺の服のポケットのおかげだぞ!(笑) 来年、頼んだぞ!
俺はそう言ってアレの手を強く握り締めた。(馬鹿だねぇ~~~。笑)


試合中に激しく振った雨もすっかりあがった場外は、ブラウグラーナな人で溢れかえっていた。
欧州No.1ともなると極上の味がするだろう。誰ともなく抱き合い喜んでいる姿は美しかった。
そして白黒な人間としてみると、やっぱり羨ましくもあった・・・。


序盤から残念な事が起きた決勝戦だったけれども、最高級の試合だった!!
非常にハイレベルで、会場の雰囲気も素晴らしい!!
もう言葉にも文字にも表現する事ができない。体験した者にしか判り得ないものがあるだろう。
そして愛着のある街パリで味わう試合ってのは、何かやっぱり気持ちがいいもんだね~。
幸せな気分に浸りながら、“Stade de France”を後にした ―。
     







今季もまた自分へのご褒美旅行が出来た事で、家族の健康や職場の方々の協力、そして愛方の理解に感謝!!
そして俺、一年間お疲れさま!!!(笑)



【 動画やら 】











posted by (C)TATSU


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  1. 2006/05/30(火) 22:51:15|
  2. サッカー観戦旅行他|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:10
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コメント

TATSUさん、初めまして!
以前から楽しく拝見させてもらってます。そして勉強させてもらってます!

充実したフランス周遊のようで、僕も行った気になって読ませてもらいました。
CLのレポートを読んで引き込まれ、決勝の興奮が甦ってきました。改めて感動的な試合でした!!
しかもデルピエロと一緒に観戦するとは!? そのようなネタもうけました!笑

昨日発売された各サッカー雑誌のCL決勝レポートとかを読んだのですが、TATSUさんのを読んだ時ほど熱いものを感じませんでした。
海外サッカーが身近な感じなのでいいですね。僕も海外のサッカー観戦の旅をしてみたいです。
12月のトヨタカップは日本ですが行こうと思ってます。
  1. 2006/06/02(金) 15:26:29 |
  2. URL |
  3. ルナ・ソーレ #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

ビスカ、バルサ!

こんにちは、はじめまして!バルセロニスタのイムノといいます。
ふら~っとネットしてたらここにたどり着きました。
決勝戦観戦されたのですね!!しかも毎年とは!
凄いです!あの中でみてらっしゃったとは羨ましいです!!

早朝からテレビで観戦してましたが、ライターのような試合観戦記を読んで、ひとりでまた盛り上がっちゃってます!!
写真も満載で楽しませてもらってます!
ビクトール・バルデスは書かれている通り、神がかり的でした。もう堪りません!!
W杯が始まるというのに、まだCL優勝にひたってます!
大活躍したラーションがいないのは残念ですが、あのメンバーでクラブW杯でバルサが世界一になるように願ってます!
  1. 2006/06/02(金) 18:19:42 |
  2. URL |
  3. イムノ #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

Re:

>ルナ・ソーレさん
初めまして! コメントありがとうございます!!
勉強だなんて恐縮です。独断と偏見にまみれたブログですので、お気を付け下さいな。

フランスはその土地によって歴史も文化も異なり、味わい深い旅となりました。
デルピエロのネタはCLでユーベが負けたときから考えてたのですが、
坊主にしたり、例の疑惑の件など、帰国してからユーベの状況が変化しているため、滑っちゃってる感があります(笑)
ユーベ人間って事と、CL決勝の舞台に重みを持たせる為にUPしておきました。イジってくれて救われてます(笑)

あのレポートに熱いものを感じてくれて嬉しいと共に、ケツの穴がこそばゆいです。
仰ってる雑誌が何か判りませんし、どの雑誌のレポートもまだ読んでませんので、何とも言えませんが、
自分のは試合云々よりも年に1度のご褒美旅行という気持ちが表れていたのかもしれません。
な~んて調子に乗ってしまうのでご勘弁下さい(笑)
まだまだ海外サッカーは身近とはいえません。個人的には日本のサッカーがもっと向上することを願ってますし、
微力ながら地元チームを応援することで貢献したいと思ってます。
ルナ・ソーレさん、是非とも海外サッカーを楽しんでみてください!!
  1. 2006/06/04(日) 00:17:32 |
  2. URL |
  3. TATSU@Author #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

Re:ビスカ、バルサ!

>イムノさん
初めまして! コメントありがとうございます!!
ブラウ・グラーナな方ですか? ビッグイアー獲得おめでとうございます!
試合は凄かったですが、自分は何も凄い事はしてませんよ(笑)

やっぱりバルデスですよね。バルサ・ファンの中で彼がどのような評価を受けているのか知りませんが、
あの試合ではとても輝いていました!!
もちろん他の選手も素晴らしかったと思いますが、郡を抜いて優勝に貢献してたと思います。

W杯モードに切り替えられない気持ちは判ります。いつまでも浸っていて下さい。
年末のクラブ選手権までお祭り騒ぎでもいいと思いますよ(笑)
  1. 2006/06/04(日) 00:19:47 |
  2. URL |
  3. TATSU@Author #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

6編とも読み応えたっぷりでした。

試合の映像をニュースでコマギレにしか観ていなかったので
GKビクトル・バルデスの素晴らしさなど
ほとんど確認できず(涙)

かわりに・・・
"uefa.com"にて彼の喜びを爆発させた表情を見つけました。

http://jp.uefa.com/competitions/UCL/FixturesResults/Round=2205/match=1108503/Report=RW.html

しかし字面で観てもこれほど「見応え」が感じられるのに
生で観てたらそりゃ~、変な汗も出るね(笑)。

いつか私達の青赤もリーグ優勝して、
こういうセレモニーに立会いたいです。
色合いが似てるから、妄想した(笑)
  1. 2006/06/04(日) 18:18:37 |
  2. URL |
  3. ymacky #-
  4. [ 編集]

Re:

>ymackyさん
長々とお付き合いいただき、ありがとうございます!

この試合はやはりアンリとロナウジーニョという対決構造で報道されてました。
日本でもそうですし、現地の新聞や雑誌も同様だったと思います。
まぁ今をときめくスーパースターですから当然でしょう。

しかし、なるべくフラットな気持ちで試合全体を観ていると、脇の選手の輝きを抜きには語れない試合!
で、俺自身最も印象に残ったのが試合直後にライカールトと乱暴に抱き合っていたバルデスです。

変な汁が出ましたよ~。決してムール貝の食べすぎじゃありません(笑)

青赤で同じ思いするならリーグ獲ってACLという土俵でですかね?とにかくタイトル獲得したいです!
その時はどうかな~・・・変な汁だけじゃ済まないんだろ~な~(笑)
行きたいな~、青赤当事者として公式戦の海外遠征!!
  1. 2006/06/05(月) 01:29:56 |
  2. URL |
  3. TATSU@Author #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

こんにちは。
って、凄い!!パリへチャンピオンズリーグの決勝を見にいったのですね??
バルサが世界一のトヨタカップをかけて日本に来るのを待ちわびてますが、このブログを見てあの時の興奮が甦ってきました。
あの試合は本当に凄かったですね。それが日本で見れるかと思うとわくわくしてます。
近年のバルサツアーは公式戦ではなかったので真剣勝負が楽しみです。
それまで何度もこれを読んで気持ちを高めさせてもらいます。
  1. 2006/12/05(火) 17:14:12 |
  2. URL |
  3. こっきー #-
  4. [ 編集]

Re:

>こっきーさん
コメントありがとうございます。
読んで頂いた通り、現地で観戦してきました。早いもので、もうクラブW杯の時期ですね。

バルセロナのファンなのですか?
エトーやメッシが怪我との事で残念ですが、それでもワクワクできる魅力がありますよね。
またせっかくですので、バルセロナに限らず他のチームのサッカーも楽しんでみて下さいね。
自分は日本のクラブもこの大会に出場できるという可能性にわくわくしながら観るつもりです。
  1. 2006/12/06(水) 10:16:03 |
  2. URL |
  3. TATSU@Author #TpXiG7qk
  4. [ 編集]

トヨタカップに出場するバルセロナがついに来日したみたいです(^o^)丿
楽しみにしながらネットしていたら、ヨーロッパチャンピオンズリーグを見てきた人がいるなんてびっくりしました!
写真がいっぱい!
バルセロナは見事な逆転で凄かったですねー。
これを読んでテレビでは知ることの出来ないドラマがあって感動しました。
ブログにしては立派な観戦記ですね!こっちも読んでてゾクゾクしてました。
ロナウジーニョのプレーが早くみたいです。待ち遠しいです。
  1. 2006/12/11(月) 23:57:13 |
  2. URL |
  3. のろ #-
  4. [ 編集]

Re:

>のろさん
はじめまして、コメントありがとうございます!
大会は既に開幕していますが、昨日来日したバルサはハードなスケジュールですね(笑)

昨シーズンのCL決勝は場所がパリだったのもあり、例年以上に多くの日本人を見掛けました。
年々日本人観戦者が増えている印象ですが、中国人観戦客も飛躍的に増加している気がします。
試合自体はドラマチックでしたが、ブログで書いている事は独断と偏見にまみれた自分の視点ですので
仰るほど立派なものではないですよ。お金にならない文章です(笑)
でも非常にありがたいコメントです!!

ゴール前で信じられないプレーを生み出せるロナウジーニョはホントに素晴らしいしワクワクします。
けれども、彼のクリエイティブなプレーを引き出せるデコやイニエスタ、シャビらのゲームメイクにも
是非注目してみて下さい。バルサはデコのチームだと思っております。
  1. 2006/12/12(火) 13:25:23 |
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